乳幼児の反復性中耳炎
耳の免疫力が十分に発達していなかったり、抗生剤が効きにくい細菌などが原因で何回も中耳炎を繰り返す方がいます。特に2歳未満の子供さんは中耳炎を繰り返しやすいです。当院では反復性、難治性中耳炎の方へはレーザーによる鼓膜切開を行い膿や滲出液を除去して鼓膜にチューブを挿入する治療を行っています。通常は全身麻酔で行う乳幼児の方へも局所麻酔で外来で行っています。チューブが入っている間は中耳炎による発熱、耳痛は起こりません。1~2か月に1回耳のチェック以外に通院、薬の必要はなくなります。数ヶ月から1年をめどに耳の炎症が落ち着いたらチューブを抜去します。
鼓膜穿孔
中耳炎が長引いたりして鼓膜に穴が開いている患者さんにたいして外来で穴を閉じる治療をレーザーを用いて行っています。鼓膜の穴の周りにレーザーを照射します。新鮮な状態になった鼓膜の穴に患者さん自身の血清より作成した点耳液、再生医療で用いる薬を組み合わせた液を浸した人工鼓膜をあてて鼓膜が再生するように誘導します。2~3週間に1回通院していただいて2か月ぐらいで87%ぐらいの方で鼓膜が閉鎖します。綿球による局所麻酔で治療は10分ぐらいで終了します。
滲出性中耳炎
中耳炎の炎症が長引いて鼓膜の奥に液が貯まって難聴をおこしています。レーザーによる鼓膜切開を行いチューブを挿入します。チューブが入っている間は液が貯まらず難聴が無くなります。1~2年ぐらいして炎症が落ち着いてからチューブを抜去します。
慢性中耳炎
中耳炎が長引いて鼓膜の周りにポリープや肉芽ができている場合にレーザーを照射してポリープや肉芽を蒸散させる治療を行っています。