当院からのお知らせ

耳鼻科疾患についてのお知らせ|illness news

アレルギー性鼻炎の根治療法

2019-09-08

アレルギー性鼻炎の根治療法である舌下免疫療法を行っています。年中症状がでるアレルギー性鼻炎や喘息の原因の大部分はダニへのアレルギーといわれています。ダニのエキスを含む錠剤を1日1回舌下にふくんでから飲み込む治療です。2~3年間毎日続ける必要がありますが体質改善をはかりアレルギー性鼻炎の根治を目指す治療です。70%から80%の患者さんに効果があるといわれています。4週間に1度受診していただく必要があります。詳しくは治りにくいアレルギー性鼻炎の治療をクリックしてください。重症の患者さんはぜひ根治療法を考えてみてください。

小児アレルギー性鼻炎への根本的治療

2018-08-08

7才以上のアレルギー性鼻炎の患者さんを根本的に治す治療薬が発売されました。スギ、ダニが原因でアレルギー性鼻炎をおこしている患者さんに対してスギ、ダニのエキスを含んだ薬を毎日、舌の下に含んで服用していただく舌下免疫療法です。1日1回3年ぐらい続けていただくと体質が変わりスギ、ダニに対してアレルギー反応をおこしにくくなり薬が必要なくなるとされています。80%ぐらいの方で効果があるとされています。ダニが原因の喘息にも効果が期待できます。アレルギー性鼻炎を放置すると特に小児では将来喘息をおこしやすくなると言われています。ぜひ根本的な治療を検討してみてください。

耳そうじについて

2018-06-13

耳そうじはやりすぎると耳痛、耳汁、耳のかゆみの原因になります。耳そうじは10日から2週間に1回ぐらいにして下さい。毎日するとかえって耳の中を傷つけて外耳炎の原因になります。細い綿棒を使って耳の入り口を軽く回すようにして耳あかを取ってください。耳あかは自然に少しずつ耳の外に移動してきますので耳の奥をそうじする必要はありません。竹や金属、マッチ棒等硬いものを使って強く耳の中をこする事は厳禁です。耳の穴の皮膚は奥に行くほど薄く傷つきやすいのです。耳あかが取りにくい場合は無理をせず耳鼻科で取ってもらってください。子供さんで嫌がって取りにくい場合も遠慮せず耳鼻科を受診して下さい。耳垢がつまったまま水泳をしたりすると外耳炎をおこしやすく耳痛、難聴、耳閉感等の症状がおこりやすくなります。

いびきの治療について

2018-05-05

いびきをよくかき、いびきが大きい方は睡眠時無呼吸症候群の可能性が高いです。睡眠時無呼吸症候群になるといびきをかいて数十秒間呼吸が止まる事を一晩中繰り返します。その結果満足な睡眠が得られず昼間の耐え難い眠気、疲労感が残ります。睡眠時の心臓への負担が大きくなり、高血圧、心臓病、夜間覚醒等全身への悪影響も出てきます。首が太くて、短い人、肥満の人、あごが小さい人等に多く日本人の300万人は睡眠時無呼吸症候群であると言われています。当院では自宅で簡単にできる睡眠時無呼吸症候群への検査を行っています。治療が必要な方へは寝ている間に鼻マスクをつけていただき無呼吸になっている時に自動で空気をマスクより送り込む装置を使ったCPAPという治療を積極的に行っています。CPAPによりいびきはほとんどなくなり、昼間の眠気、疲労感、心臓への負担、夜間覚醒が無くなります。いびきを指摘されている方はぜひ検査を受けてみてください。

重大な病気のサインとなる声がれ

2017-06-04

2週間以上続く声がれは重大な病気のサインとなります。風邪の後でもなく声をよく使う事もなく声がれが長く続く場合は声を出す神経が麻痺をしていたり声帯に癌ができている事があります。声帯を動かす神経は肺の近くまで通っています。肺がん、甲状腺がん、破裂すると即死する大動脈瘤等があると麻痺をして声がかれます。鼻から入れる内視鏡で簡単に検査ができますので声がれが長く続く場合は耳鼻科で早く検査を受けましょう。

黄砂により悪化するアレルギー疾患

2017-05-14

5月に入り暖かく風邪の強い日になると黄砂が大陸から飛んできます。黄砂には有害な化学物質、細菌等が付着していて鼻から肺に至る部位に入り込み炎症をおこしたりアレルギー鼻炎、喘息を悪化させたりします。またこの時期は焼却炉、自動車等から排出される有害物質であるPM2.5も多く飛散し呼吸器に悪影響をおこします。5月~6月はイネ科の草の花粉も飛散しておりスギ花粉症の時期が過ぎても鼻、咳の症状が続く方は早めに治療をしてください。外出の際はマスクの着用も忘れずに。

甲状腺の病気

2016-11-15

のどぼとけの下の所に甲状腺というホルモンを作る臓器があります。首の下の所がはれてきたら甲状腺の病気が考えられます。ホルモンがたくさんできると動悸、手の震え、発汗などの症状がでてくるバセドウ病になります。ホルモンが減ってくると手足がむくんだり、疲れやすい、皮膚が乾燥する、寒がりになる等の症状が出る橋本病になります。甲状腺の癌は若い方でもかかる方がいます。血液検査や超音波検査でかなりの診断が可能です。首の下がはれていると感じる方や症状に心当たりのある方は早めの検査をお勧めします。

外来で鼓膜の穴を閉じる治療

2016-09-15

中耳炎が長引いたりして鼓膜に穴が開いている患者さんに対して外来で穴を閉じる治療を行っています。患者さん自身の血液より作成する点耳薬や再生医療の技術を利用した薬を組み合わせて使用します。アテロコラーゲンより作成した人工鼓膜を鼓膜の穴にあてて患者さんの鼓膜が再生するように誘導します。鼓膜が再生するまで2~3週間に1回ぐらい通院していただき2カ月ぐらいで80%ぐらいの患者さんの鼓膜が閉鎖します。綿球による局所麻酔を20分ぐらいおこない治療は10分ぐらいで終了します。詳しくは日帰り手術の項目をご覧ください。

頭を動かすと起こるめまい

2016-08-17

寝返りを打つ、ベッドから起き上がるなどの頭を動かす動作をすると突然起こるめまいがあります。めまいの原因で一番多いと言われている良性発作性頭位めまい症です。グルグル回転するめまいが1分少し続きます。吐き気を伴うことも多いです。右を向いた時とか上を向いた時とか人によって起こるきっかけは違いますが特定の向きで発作が起こる事が多いです。耳の奥にある耳石がはがれる事が原因とされています。耳石を元に戻す理学療法もありますので思い当たる症状がある場合は耳鼻科を受診して下さい。脳の障害によるめまいでは手足が動かしにくかったり、しびれたり、物が二重に見えたり、ろれつが回らない等の症状が出ます。

子供さんの耳掃除について

2016-08-03

小学生までのお子様の耳あかはなかなか取りにくいものです。嫌がって動いたり泣いたりしますので無理に耳掃除をすると鼓膜まで傷つける事があり、出血したり難聴をきたす事があります。耳掃除は毎日するとかえって耳を傷つける事があり、10日に1回ぐらい耳の入り口付近をそっと綿棒で回すようにして取ってあげてください。耳たぶを後ろに引っ張り上げて懐中電灯で照らすと耳あかがよく見えます。耳あかが貯まってくると聞こえにくくなったり、かゆくなったり外耳炎をおこしやすくなります。特に夏の暑い時期に耳あかが一杯あって水泳をすると外耳炎をおこしやすくなります。耳あかが取りにくい場合は無理をせず耳鼻科を受診してください。

何回も繰り返す中耳炎

2016-06-01

耳の免疫力が十分に発達していなかたり、抗生剤が効きにくい細菌などが原因で何回も中耳炎を繰り返したり、なかなか中耳炎が治りにくい方がいます。特に2歳未満のお子さんは中耳炎を繰り返しやすいです。当院では反復性、難治性の中耳炎の方へはレーザーによる鼓膜切開を行いチューブを鼓膜に挿入する治療を行っています。通常は全身麻酔で行う乳幼児の方へも局所麻酔で行っています。チューブが入っている間は中耳炎による耳痛、発熱は起こりません。1~2カ月に1回の耳のチェック以外に通院の必要がなくなり薬も必要なくなります。数カ月から1年をめどに耳の状態が落ち着いたらチューブを抜去します。詳しくは日帰り手術の項目をご覧ください。

口腔アレルギー

2012-04-15

花粉症の方でトマトやスイカなど果物、野菜などを食べると口の中がかゆくなったりイガイガ感を感じたり口の中がはれてくる事があります。このような場合は口腔アレルギー症候群が疑われます。どのようにすればよいのでしょうか。 花粉と果物、種の実のタンパク質はよく似た構造のものが多く花粉症の方は果物、野菜などにもアレルギーを起こしやすいのです。スギ、ヒノキの方はトマト、5月から9月までのイネ科の花粉症の方はスイカ、メロン、トマトなどに、秋の花粉症の方はスイカ、ニンジン、セロリなどにアレルギーを起こしやすくなります。 症状としては口の中がかゆくなったり、はれたり、イガイガしたりします。ひどくなると口からのどがはれてきて呼吸困難になったりショックを起こす事があります。花粉症の方で思い当たる事があれば血液の検査で確認できます。原因がはっきりすれば当てはまる果物、野菜などを避けるようにしましょう。 花粉症以外の方でも食物のアレルギーは起こります。大人ではエビ、カニなどの甲殻類、ピーナツなどで口腔アレルギーは起こりやすいです。バナナ、クリ、キーウイ、パパイア、イチゴ、モモ、オレンジなどでもアレルギーは起こります。口の中に違和感を感じたら思い当たる食物は避けて原因をはっきりさせておきましょう。

中高年の方の難聴

2011-09-03

中高年になるとだんだん耳が聞こえにくくなってくる方が増えてきます。どのような原因、病気が考えられるのでしょうか。 中高年になると耳の神経がだんだん弱ってきて聞こえが悪くなる方が増えてきます。高い音から聞こえが悪くなってくることが多いです。職場の検診などで指摘されることも多くあります。いったん神経の働きが弱ってきますとなかなか回復しませんので予防が大切です。大きい音を聞く職場では耳栓の着用で難聴の進行を予防できます。コンサートでのスピーカーやヘッドホーンで大きい音が直接耳に入るのも難聴を起こします。糖尿病がコントロールできていない方や中耳炎で鼓膜に穴が開いている方も耳の神経障害が進行します。耳の神経障害による高度難聴になりますと補聴器が必要になり適合検査が必要です。 耳垢が詰まっていて難聴になる方も高齢者ではよくみられます。耳垢を取るとすぐ難聴は改善します。また中高年では鼓膜に穴が開いていて難聴になっている方も多くみられます。当院では日帰りで鼓膜の穴を閉じる処置、手術も行っています。鼓膜の穴が閉じれば難聴も改善して難聴の進行を防げます。 ストレスや多忙などがきっかけになり難聴やめまいがおこるメニエール病、急に耳が聞こえにくくなる突発性難聴などは早期治療で難聴が回復しうる病気で中高年でも多くみられます。 耳が聞こえにくくなればできるだけ早く耳鼻咽喉科を受診し検査を受け、原因をはっきりさせ早期の治療、対策を取るようにしてください。

再生医療を用いた鼓膜の穴を閉じる治療

2010-09-06

今年の日本再生医療学会で京都大学が再生医療の技術を用いた鼓膜の穴を閉じる治療法を発表して注目を集めています。当院でも同様の手技を用いた治療を行っています。鼓膜の穴を負担の少ない日帰りの処置で閉じる方法です。詳細は続きをご覧下さい。 まず鼓膜へ15分ほどの綿球による局所麻酔を行います。当院ではレーザーか耳用のメスで鼓膜の穴の周りを新鮮な傷口にます。、組織の再生を促すbFGF(フィブラスト)という液で浸したアテロコラーゲン(テルダーミス)という人工の膜を鼓膜の穴にあてて閉鎖します。最後に血液より作成した糊(ベリプラスト)で膜を固定して治療を終わります。10分~15分ほどで治療は終了します。 鼓膜の穴の大きさ、穴の位置、聞こえ具合、中耳炎の種類、経過などによりこの治療がよいか、もう少し複雑な手術的な治療が良いかが決まります。 血液製剤による糊は加熱、濾過されて作成されており、ウイルスが最終的に含まれていない事が証明されており、安全な製剤と考えられます。鼓膜麻酔によりめまいをおこす可能性も否定できませんが安静にしていただくと時間と共に回復します。この治療で100%鼓膜の穴を閉じる事は保証できませんが負担の少ない治療ですのでまず試してみる価値はあると考えられます。レーザーで一瞬に鼓膜の穴の周りを新鮮化する処置ができますので子供さんでも治療は可能です。 鼓膜の穴が開いた状態が続きますと難聴が進行していったり、耳だれが出やすくなります。鼓膜に穴が開いていると指摘されている方は是非この治療を検討して下さい。

睡眠時無呼吸症候群について

2009-09-06

いびきが大きい、寝ているときに呼吸が止まっている時間が長い、夜に何度も目を覚ます、昼間の眠気が強く居眠りをしやすい等の症状がある方は睡眠時無呼吸症候群の疑いがあります。どのような検査、治療があるのでしょうか。 睡眠時無呼吸症候群は鼻からのどまでの空気の通り道(気道)に狭い所がありおこる事がほとんどです。子供に多いアデノイドや扁桃腺が大きい、肥満で舌の付け根に脂肪が貯まりのどの奥が狭くなる、あごが小さく気道が狭くなる、のどちんこが大きい等でのどの周りが狭くなる、鼻の通りが悪い等が原因になります。 検査としては神経疾患から無呼吸をおこすこともあり入院して寝ている間に脳波、心電図、呼吸状態、酸素濃度などを計る検査が一番正確に診断できますが、当院で行っている自宅で寝ている間に行える簡易検査もあります。簡易検査では呼吸状態、いびきの音、酸素濃度などを測定し診断します。また内視鏡で鼻からのどまでで狭くなっている所を診察します。 治療は大きく分けて三つあります。一つはのどの奥を広くする手術的方法です。扁桃腺、のどちんこを取りのどの奥を広くします。二つめはマウスピースを装着する方法です。三つ目はCPAPと呼ばれる鼻マスクを装着して寝ていただく方法です。CPAPが一番効果が確実で普及しています。寝ている間に鼻から空気を送り込み気道を広げて無呼吸を改善します。当院でも20名ほどの方に治療しています。それぞれの治療法には一長一短があり医師に充分相談して下さい。 睡眠時無呼吸症候群を放置すると心臓にも負担がかかり高血圧になったり、居眠り運転で事故をおこしたり、子供では成長障害をおこすことがあります。車の運転を職業とされている方は特に検査を受けられる事をおすすめします。

鼓膜の穴を閉じる手術について

2009-07-12

中耳炎や鼓膜に傷をつけ鼓膜に穴があいたままになった方へ鼓膜の穴を閉じる日帰り外来手術を行っています。鼓膜の穴をを閉じる事により聞こえが良くなり難聴の進行を防ぎ、鼓膜より水、汗などが入る事よりおこる耳だれを防ぎます。 鼓膜の奥の炎症が軽く、耳だれが1ヶ月以上出ていなくて耳の奥が乾燥していて鼓膜の穴を閉じる事で聞こえが良くなる事が検査で確認できた方が手術の適応となります。 手術は耳の後ろを3cmほど切開して皮下組織を採取して鼓膜の穴の周りを新鮮な状態にして鼓膜の穴に皮下組織をあててフィブリン糊で固定します。局所麻酔で40分から60分ぐらいで終了します。採取した皮下組織は冷凍保存して1回で穴が閉じない時に利用します。入院をせず最小限の傷と負担の少ない手術のため1回で穴が閉じる成功率は70%位です。2回で閉じる成功率は80~90%位になります。手術後は念のため車の運転は半日禁止ですが日常生活の制限は当日からありません。 手術での思わしくない事は麻酔が効きすぎる方はめまいを起こす可能性があります。鼓膜の穴が閉じない可能性が20~30%あります。術後しばらく耳だれがでる事があります。出血の心配はありません。フィブリン糊は加熱殺菌してありウイルス濾過膜を通して最終製品にウイルスがない事をPCR法で確認してある安全なものです。 手術の費用は耳の状態により変わりますが3割負担の方で約9000円、16000円になります。

耳、鼻、のどの病気と水泳について

2008-06-08

学校で水泳の授業が始まる季節がやってきました。耳、鼻、のどに健診などで病気を指摘された方はどのような事に気をつければよいでしょうか。 耳の病気として中耳炎、外耳炎、耳あかを指摘された方は原則として水泳は避けてください。耳の奥に水がたまる滲出性中耳炎の方は状態により水泳は可能です。チューブが鼓膜に入っている方、耳の奥が乾いている慢性中耳炎の方は防水用の耳栓をして水泳は可能です。耳あかは除去しておかないと水泳をすると耳が聞こえにくくなったり、痛くなる事がありますので耳鼻科を受診して水泳前に取ってもらってください。 鼻の病気としてはアレルギー性鼻炎は水泳で症状が悪化する事がありますので耳鼻科を受診して指導を受けて下さい。プールの塩素などが鼻の粘膜を刺激して鼻水、鼻づまりをおこす事があります。副鼻腔炎(蓄膿症)の方は感染がおこっていて黄色の鼻水がでているような時は水泳は控えて下さい。軽症の方や治療で症状が安定していれば水泳は可能です。のどの病気としては扁桃腺の炎症がつよくて、のどの痛みのある時は水泳は控えて下さい。目やにがでて、のどが痛い症状がでるプール熱(アデノウイルス感染症) では水泳は医師の許可がでるまでやめて下さい。完全にウイルスがなくなっていないと感染をひろげます。

繰り返す中耳炎への治療

2008-05-11

何度も中耳炎を繰り返す方や耳の奥に水が貯まる滲出性中耳炎の患者さんに対してチューブを鼓膜に入れるチュービングが最も有効な治療とされています。当院では乳幼児の患者さんに対しても全身麻酔、入院を必要としないチューブの挿入法を開発し施行しています。詳しくは続き、コラムの鼓膜チューブ挿入術についてを参照して下さい。 乳幼児では細菌への抵抗力が未発達だったり、抗生剤が効きにくい細菌感染などで中耳炎を繰り返す患者さんがいます。また中耳炎が治ってきた後も耳の奥に水が貯まる滲出性中耳炎になり耳が聞こえにくくなる患者さんもいます。このような患者さんに対して鼓膜にチューブを入れるチュービングという治療が最も効果があると言われています。ただし乳幼児の患者さんは耳の中が小さく、じっとしてくれないため全身麻酔で入院してチュービングを行うのが一般的です。麻酔、入院のため乳幼児ではなかなかチュービングまで行えないのが実情です。 当院では耳の中を拡大して見やすくして、長目で挿入しやすいチューブを用いて、鼓膜の切開法などに改良を加え乳幼児の方にも全身麻酔を行わず外来でチュービングを行える方法を開発し施行しています。ただし治療に対し恐怖心が強く、よく動く患者さんには施行できません。滲出性中耳炎で聞こえの悪い小学生以上、成人の患者さんにもチュービングは行っています。 チューブが入っている間は中耳炎はほとんどおこらなくなり、聞こえも正常になります。耳の状態をみてチューブは数ヶ月から数年後抜去します。

アレルギー性鼻炎に対するラジオ波治療(セロン治療)の効果

2007-10-08

当院でセロン治療を行ったアレルギー性鼻炎の患者さん29名中アンケート調査にお答えいただいた24名の方の結果がでましたので報告いたします。有効率は88%、満足度は92%でした。詳細は続き、コラムを参照して下さい。アンケートにご協力いただきありがとうございました。 治療後3ヶ月以上経過した24名中著効67%、この内症状がなくなった方25%、有効21%、無効13%でした。鼻づまり、鼻水、くしゃみへの有効率はそれぞれ88%、88%、92%でした。治療後、日常生活への支障がなくなった方は83%でした。花粉症が合併している方12名中50%の方は薬なしで花粉症の症状がでませんでした。42%の方はたまに薬を服用して調子がよかったと回答いただきました。 治療中の痛みは痛みがなかった17%、少し痛かった63%、がまんできる痛み17%でした。セロン治療への満足度は大変満足46%、満足46%、どちらともいえない4%、不満4%でした。 アンケートの結果、セロン治療は治りにくいアレルギー性鼻炎に対して85%前後の方に有効な治療法と考えられました。

重症アレルギー性鼻炎への治療

2007-07-16

何年間も続く口呼吸を伴う鼻閉、くしゃみ発作、鼻水などの症状を示す重症のアレルギー性鼻炎の方は薬が効きにくく、強い苦痛に悩んでおられます。最近レーザー、プラズマ、ラジオ波治療などの新しい治療方法が開発されてきて、重症のアレルギー性鼻炎の方にも治療効果が証明されるようになってきました。 ダニなどに対するアレルギーで鼻の下鼻甲介という所の粘膜がパンパンにはれてきて鼻の通りが悪くなり鼻が詰まってきます。また鼻の中でこの下鼻甲介という所が一番アレルギー反応を起こす場所です。この下鼻甲介の粘膜に対してレーザーやプラズマ、ラジオ波などをあてて粘膜のはれを取り、小さくして鼻の通りを良くして、粘膜を変性させてアレルギー反応を無くするとという治療です。 当院ではプラズマの治療とラジオ波の治療を行っています。プラズマ治療は6年間で約400名の方に行い一年後の有効率は約75%でした。二年後になると効果はやや落ちてきて有効率は約50%でした。ラジオ波の治療は二年間で28名の方に行い治療成績は他施設と同様の約85%の有効率でした。 ラジオ波の治療は治療後粘膜の回復に2~3ヶ月かかる方もいますが、10年以上高度の鼻閉に苦しんでいた方が二年後も鼻閉がなくなり、薬が必要なく楽になったと言っていただいている方が数名おられます。重症アレルギー性鼻炎に対して外来で行える治療としては有効な治療法と考えています。

夏に多い耳痛について

2007-06-24

暑くなると耳の痛みを訴えて受診する患者さんが増えてきます。水泳をした後や、耳掃除をした後に耳が痛くなる事があります。いわゆる外耳炎をおこしている事が多いです。外耳炎とはどのような病気でしょうか。 耳の穴から鼓膜までの外耳道という所に細菌が感染したりして炎症をおこしているのが外耳炎です。耳あかが多く詰まっていたり、耳の中に耳かきでキズをつけたりして耳の中があれている所に、水泳やシャワーで水が耳の中に入ったり、汗をかいて耳の中が湿ったりすると細菌が感染して痛みをおこします。 治療としては耳の中のウミや耳あか等をきれいに清掃し、消毒し薬をつけます。症状の強い人には抗生剤や痛み止めの薬が必要になる事もあります。 経過としては3~4日ぐらいで治る方がほとんどですが、耳をよく触る方、耳に湿疹があり痒みの強い方は再発を繰り返したり、治りが悪い事があります。耳そうじは10日に一度ぐらいに綿棒で入り口を中心に軽くするぐらいにして竹などの堅い耳かきで強くこする事はやめましょう。糖尿病のある方は、なかなか治りにくく重症化する事があり注意が必要です。 細菌感染以外にカビが耳の中で繁殖する外耳炎もあります。この場合はカサブタや耳漏が多く耳が詰まる感じを訴える事が多く、治るまで時間がかかります。 ヘルペスウイルスが感染しておこる外耳炎は水ぶくれができてきて、顔面神経の麻痺をおこす事があり抗ウイルス剤が必要です。 いずれにしても、たかが外耳炎と考えず早めの受診、局所の清掃を中心とする治療をおすすめします。

耳鼻咽喉科検診について

2007-05-06

4月から5月にかけて大部分の学校で耳鼻咽喉科検診が行われます。検診の結果についてどのように対処すればよいのでしょうか。 まず検診は確定した診断ではなくて、病気が疑わしい人を選び出すスクリーニング検査と理解してください。検診では限られた時間と視診のみで判断せねばならず、レントゲンやいろんな検査を総合して診断した病名と異なる事もあります。また検診の時期によっては病気の治りかけの時、風邪ぎみの時、急性の病気の時があり、実際に診察を受けに行った時と状態が異なる事はよくあります。 耳の病名として耳垢栓塞症が多くみられます。耳あかが詰まった状態で、聞こえにくかったり、外耳炎をおこし耳が痛くなりやすい状態です。耳の痛みはないが耳が聞こえにくくて鼓膜の奥に水がたまっている滲出性中耳炎、鼓膜に穴があいている中耳炎、耳の穴の皮膚に炎症がある外耳炎などが病名としてつく事があります。いずれの病気も水泳で悪化しますので水泳の授業が始まるまでには耳鼻科を受診してください。 鼻の病気としてはアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、鼻炎などがあります。レントゲンなどの検査をしないと診断が確定できない事もよくあります。症状が悪化して頭痛、注意力の低下、口呼吸による睡眠障害などがおこる前に治療してあげたいものです。水泳により悪化する人もあり、耳鼻科の専門医の指導に従ってください。 のどの病気としては、へんとう肥大、へんとう炎、さ声(声がれ)などがあります。へんとう肥大により睡眠時無呼吸症候群をおこしている事もあります。溶連菌によるへんとう炎では腎臓を悪くする事があります。 いずれの検診結果でも何らかの病名がついていれば、放置しないで水泳の授業が始まるまでには耳鼻科専門医の指導をうけてください。

水泳と耳鼻科の病気

2006-07-30

梅雨も明けて水泳をする機会の多い季節になりました。耳鼻科の病気をもっている方はどのような事に気をつければよいでしょうか。 基本的には耳の病気を持っている方は水泳はふさわしくありません。外耳炎、中耳炎と診断されている方は医師の許可がおりるまで水泳はやめてください。耳の痛み、難聴、めまい、耳の詰まる感じなどの症状のある方も水泳はやめて、医師による治療を受けて下さい。滲出性中耳炎でチューブを入れている方は防水用の耳栓を使用して水泳をする事も可能ですが医師の指導を受けて下さい。 アレルギー性鼻炎の方はプールの塩素に過敏に反応し症状を悪化させる方が多いので鼻に水が入らないようにするのが無難ですが、症状が軽快している方は水泳も可能です。副鼻腔炎で頭痛のある方、黄色い鼻汁の出ている方は水泳を控えたほうが良いことが多いです。個人の状態により異なりますので医師の指導を受けて下さい。 今年はアデノウイルスによるプール熱が流行しており、目やに、のどの痛みのある方は医師の診断を受けて下さい。すぐに診断ができるアデノウイルスを検出するキットができています。プール熱と診断されれば安静を守り、症状が完全に取れてから3~4日して完全に体力が回復してから水泳をして下さい。 水泳の後は目を洗い、シャワーを浴び、うがいをして、タオルは個人専用のものを使用しプール熱に感染するのを防いで下さい。

アレルギー性鼻炎に対する高周波(ラジオ波)

2006-01-08

アレルギー性鼻炎に対する高周波療法を安全に確実に行える医療機器がオリンパス社から発売され当院でも購入し治療が行えるようになりました。治療の方法と効果、保険負担金、副反応などを説明します。 (治療方法)ガーゼでの麻酔の後、鼻の粘膜に麻酔の注射をして1.1mmの電極を鼻の粘膜の中に挿入してラジオ波で粘膜を凝固します。1から2ヶ所電極を挿入して治療時間は両側で10分以内です。麻酔時間が20分ぐらいで休憩もいれて40分ぐらいで治療は終了します。 (効果)治療20ヶ月後で68%で鼻閉の著明改善、17%で改善、鼻汁、頭痛も改善していました(米国、日本のデータ)。特に鼻閉については効果がよくプラズマ療法より効果が持続するようです。 (費用)保険適応で治療前の検査で約2500円、治療で一側約3200円、両側約6000円です。(薬代は別) (副反応)治療中の痛みは95%の方が痛みは少なく充分耐えられる程度でした。治療後1週間ぐらいは鼻閉、鼻汁に血が少し混じるなどの症状がでます。 (プラズマ療法との違い)花粉症にはプラズマ療法が優れています。1年中症状が続くアレルギー性鼻炎の重症の方は高周波(ラジオ波)療法が優れています。治療の効果は高周波療法が優れていますが、鼻の中に注射して麻酔をしたり電極を挿入する手技に納得していただかないと治療が出来ません。

長引く咳について

2005-12-25

かぜをひいた後なかなか咳が止まらない、頑固な咳のため夜も寝にくい、咳をしすぎて吐きそうになるなどの症状を訴える方が最近よくみられます。そのような場合はどのような治療があるのでしょうか。 咳がなかなか止まらなくてレントゲン、血液検査をしても異常が見られない方が最近よくみられます。小児でもこのような方が多く見られます。最近これらの頑固な咳はアレルギーにより起こっている場合が多い事がわかってきました。喘息や喘息までは進んでいないが喘息になる前の咳喘息、喘息性気管支炎、アトピー咳嗽などの病気があり、いろんな治療法がわかってきました。アレルギーを抑える薬、気管支を広げる薬、気道のアレルギーを抑える吸入ステロイドなどの治療が有効な事がわかってきました。咳喘息ではしっかり治療をしておけば喘息に移行するのを防げるともいわれています。 咳喘息、アトピー咳嗽は乾いた痰を伴わない咳が多いのですが、痰を伴う湿った咳は副鼻腔炎(蓄膿症)により鼻汁がのどに流れてきて咳が出やすくなっている場合があります。このような場合は副鼻腔炎の治療、マクロライド系抗生剤の少量長期投与が有効な場合があります。

耳の痛みについて

2005-09-04

急に耳が痛くなった時、状況によって大体の病気の見当がつきます。よくある場合の例を用いて解説してみます。 耳をよくさわって痛くなった場合は外耳炎を起こしている場合が多いです。耳の中を耳かき、指、綿棒で傷をつけたりした場合に起こりやすいです。汗をよくかき水泳をする夏によくおこります。早く耳鼻科で適切な治療をすれば3日前後で治る方が多いですが耳をさわる癖がある方、耳に湿疹のある方、強い菌が感染を起こしている場合は治りにくい事があります。 風邪をひいて鼻がよくでていて耳が痛くなる場合は中耳炎を起こしている場合が多いです。特に小児で風邪をひいて熱があり耳も痛い場合は中耳炎を起こしている場合が多いです。早期に適切な治療で7日前後で治る場合が多いですが、最近薬の効きにくい菌による中耳炎が増えています。難聴を伴う滲出性中耳炎になる事もあり専門医の治療をお勧めします。 のどの痛みが耳にひびいて痛くなる場合があります。この場合特に飲み込む時に痛くなります。歯の痛み、肩こりの痛みが耳にひびいたり、神経痛が耳に起こる事もあります。オタフク風邪の場合は耳の下がはれてきます。 耳の痛みは我慢できないつらいものが多く、早めの専門医への受診をお勧めします。

水泳と耳鼻科の病気

2005-07-06

夏になり水泳をする機会が増えてくる時期になりました。耳、鼻、のどに病気を持っている方は水泳をしてもよいのでしょうか。 耳に病気のある方は水泳はよくない事が多いです。外耳炎の方は水泳の後におこる事が多いくらいで、治るまで水泳はだめです。中耳炎の方もだめですが、滲出性中耳炎の方は水泳ができる方もいますので主治医の先生に相談してください。滲出性中耳炎でチューブが耳に入っている方は耳栓が必要です。完全防水の耳栓が必要ですので耳鼻科の医院で相談してください。 鼻の病気のある方は水泳をしてもよい方もいますが、アレルギー性鼻炎の方ではプールの消毒薬である塩素に過敏に反応する方が多く、水泳の後鼻が詰まりやすい、鼻水、くしゃみが止まらないなど症状の悪化する方は水泳はやめてください。アレルギーが落ち着いていて水泳後も症状が悪くならない方は水泳可です。副鼻腔炎(蓄膿症)の方は頭痛のある方、黄色いウミの鼻が出ている方、顔に痛みのある方など症状の強い方は水泳はやめてください。症状の軽い方は主治医の先生に相談してください。 のどの病気のある方はのどの痛みが強い時、咳、たんの多いとき、体のだるい時、溶連菌に感染している方などは水泳はやめてください。

いびきが気になる時は

2005-05-29

いびきが大きい、寝ている時呼吸が止まっているようだなどと指摘を受けた方はいませんか。いびきが大きいのはほっておいて良いのでしょうか。 鼻からのどの奥までの空気の通り道のどこかで狭いところがありますといびきになります。いびきが大きい人は寝ている間に充分呼吸ができていず酸素を体の中に取り込めなくなっている事があります。夜中に何回もめを覚まし熟睡できない、昼間の眠気が強くてウトウトする、血圧が高くなる、小児では発育が遅れるなどの症状がでる事があります。いわゆる睡眠時無呼吸症候群をおこしている事があります。最近家庭でも簡単に睡眠時に無呼吸発作を起こしていないか検査できる機械もできています。無呼吸発作が強い人はのどの奥を広げる手術や、無呼吸を起こしている時鼻から空気を自動的に送り込むCPAPという機械を使う治療法があります。当院では家庭でできる検査機器の貸し出し、CPAPの治療も行っておりますのでお問い合わせ下さい。

RSウイルス感染症

2012-10-28

毎日少しずつ寒くなってくる時期になりました。例年11月ごろ流行する乳幼児のRSウイルス感染症が今年は9月ごろより大流行しています。どのような事に気をつけなければならないでしょうか。 RSウイルス感染症は大人や年長児では症状の軽い鼻風邪のウイルスです。乳幼児(特に1歳未満)の方ではRSウイルスにより呼吸困難を起こすような気管支炎、肺炎になり重症にとなることが多いので注意が必要です。今年は特に例年より早く今までにない流行となっています。鼻風邪をひいた人は咳エチケット(マスクをする、マスクがなければ手、腕で口をおおう)を守り、くしゃみ、鼻水を赤ちゃんにかけない、食事、おやつを与える時は手をよく洗うなどを守ってください。赤ちゃんが鼻水、熱があり、咳がよくでる時は早めの診察を心がけてください。RSウイルスの検査は診療所で10分で結果がでる迅速検査があります。 RSウイルスそのものに効く薬はありません。熱冷まし、咳止め、痰を出やすくする薬などの対症療法で体力の回復を待つ治療になります。重症の方は入院になることも珍しくありません。中耳炎が続いておこったり、咳がひつこく続き喘息に移行する事もあります。早めの診断、治療が必要です。

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